In Jazz(はてなダイアリー版跡地&元『My Favorite Things』)

ジャンル不問で好きなものを最小単位で語るブログ

極上同窓会#01

アニメ『極上生徒会』、勝手に10周年企画。
さて、始まりました。
何から語りましょうかね。
とりあえずどういう語り口にするかなあ。
作品の雰囲気よろしくゆる〜くと行きたいとは思いますが…。
書いていけば、思い浮かぶかな。


ちょうど10年前の今日。第1話が放映になりました。
これから放映日毎に1話ずつ振り返って行こうかなあと。

この作品を物凄くざっくりと、雑に説明すれば、

↑の極上生徒会と呼ばれる面々と…

↑のこの子(蘭堂りの)+1が主役のコメディです。


以下は作品知らない人の為の主要キャスト。
蘭堂りの田村ゆかり
神宮司奏生天目仁美
金城奈々穂野田順子
銀河久遠:清水香里
市川まゆら沢城みゆき
桂聖奈佐久間紅美
飛田小百合:川澄綾子
角元れいん松岡由貴
和泉香:斎藤千和
シンディ真鍋:川上とも子
桜梅歩仙台エリ


さすがKONAMI資本力
今でも活躍してる人が多いですね。
ぱっと代表的なキャラが思い浮かべられる人が何人も。
鬼籍に入られてしまった川上とも子さんのお名前もあります。
とはいえ、声優さん語りするつもりもあまりないのでさくっといきましょう。



第1話。
脚本:黒田洋介/絵コンテ:岩崎良明/演出:高島大輔/作画監督:清水博幸/総作画監督:川田剛


キャラ紹介的な顔見世要素の強いエピソードです。
ミスター・ポピットとは主役の蘭堂りののペンフレンドの名前。
もちろん本名ではありません。
母親が亡くなり身寄りのない、りのはそのミスター・ポピットを頼って、宮神学園に編入してきます。


※会話してます。


作品の核なのでちょっと画像を多めに使いましたが、初めて見る人はどんな風に感じるんだろうか?
人形はプッチャンと言います。
物語の主要キャラで独特の存在感を放つ、喋くる人形です。
1話はりのとプッチャンを軸にしたドタバタが繰り広げられる、というわけですね。
プッチャンがどういう存在なのかはまた別の機会に。
ちなみにりのとは別人格です。
この物語の基本として、りのとプッチャンは1セットだということを踏まえていただければ。
あ、中の人はりのと一緒で田村ゆかりさんです。


でまあ、なんとなくこの話の基本設定を飲み込めれば、1話の紹介は済んでしまうわけですが。
(正直、コメディなので内容を逐一紹介していくとキリがない)
それではつまらないので少し別軸から語りたいなと。
この物語、登場キャラが多いので紹介も大変なのです。
でも全26話あるおかげでほぼ全キャラにスポットライトが当たっているんですよね。
コメディ作品と言う性質上、コメディがメインですがしっかり物語の軸はある。
けど、こうやって連載記事を書くにあたっては各話毎にこのキャラに注目と言う風にしていきたいと思います。
話の筋をぶった切った説明になるかと思いますが、
初めて見る人にはやっぱり映像で見てもらった方が面白さが伝わりますし、ご了承いただければ。
まあ「同窓会」と銘打ちましたし、振り返りの意味も含めて見ていければなと。
もちろんこういう視点があるよってのは初めての人にも感じてもらいたくはありますが。
どちらにせよ、この作品はコメディなので気軽に見ていただきたいです。



最初のエピソードなので、りのとプッチャンにスポットライトが当たるべきなのですが、
今回、語りたいキャラはこちら。



和泉香(CV:斎藤千和)。
宮神学園に転入してきたりののクラスメートにして、極上生徒会遊撃の一員。
実は1話の中で最もりのと物語の絡みがあるのは彼女だったりします。
物語を追っていくと、香とりのはけっこう好対照なのですね。
それらについては該当のエピソードで触れたいと思いますが、1話の段階でもけっこう対称的な配置を見せています。
例えば…、


りのと邂逅する場面より。
途中いろいろあって、山向こうの宮神学園目指し案の定、山道に迷うりのと、
何者かを追って、走ってくる香との衝突シーンです。
ぶつかってそのまま気絶するりの。
受身をとって、片手でバランスを取り直し、身を翻らせて着地する香。
どうということがないシーンっちゃシーンですが、
この時点から対比の構図が出ているのが分かるかと思います。
りのはちょっとドジな子。
香はいろいろとデキる子。
というのは、この1シーンの描写からでも感じ取ることが出来ますね。
このシーンの流れは後半の展開でリフレインされます。
それについては後ほど。


また性格も正反対です。
りのは一番最初の画像集の印象のとおり、
プッチャンという人形とおしゃべり出来るくらいには純真(あるいはおバカ)な子で。
感情的にもあまり裏表がなくて、喜怒哀楽が顔に出ちゃう、素直な子です。
対して、香はというと。


まあ、ものの見事に裏表がありまくる典型的な性格です。
実に人間(日本人)らしい感情が渦巻いてる感じ。
猫かぶっているというか、外面の顔と内面の顔がある子、それが香です。
りのの素直な性格とはまったく噛み合わない性格の子。
そういった二人なのに、関係性を持つにいたるきっかけこそが極上生徒会という存在。
詳しい説明は次回の2話が作品設定のフィードバック回なので、そちらに回したいと思います。
現時点では「教職者より権限の強い生徒会」という事だけ、知っておけば大丈夫です。


話を元に戻します。
1話の大まかな内容は「りのが宮神学園に転入して、極上生徒会に入るまでのドタバタ」です。
それ以上でもそれ以下でもない、主役キャラの魅力を押し出した無難な作りの第1話。
けど、そこを敢えて掬い取ってみると、りのと香の対比構図が浮かび上がってくるのです。
エピソード内の描写でことさら強調してるわけでもないですが、お互い対照的な存在だからこそ目に付く。
同学年で同じクラスで同じく極上生徒会の所属になる、二人の関係は非常に裏表なものかと思うのです。
もっと言ってしまえば、香はこの作品の裏主人公と位置づけてもけっして過言ではないんです。
りのが物語のメインであることはなんら疑いようのない事実なのですが、
後のエピソードで極上生徒会という作品の背景を肉付けする役割を担っている存在こそが香だと思っています。
とはいえ物語の最初のエピソードですし、香以外のメンバーの紹介にも時間を割いている内容ですので、
りのとの関係性に絞った印象も見受けられます。


そういう所から、先ほど話していた衝突のシーンのリフレイン。
1話の流れをごっそり省いてますが、りのを軸にした宮神学園と極上生徒会の紹介に絡めて、
学園界隈を脅かす放火犯を追うというシークエンスが入って、1話のクライマックスが上の画像になります。
画像としてあげてませんが、香が放火魔を追い詰めカッコよく決めるところでりのとぶつかる場面があって、
画像のシーンを入れると都合三回、りのと香は物理的に衝突してます。
(画像の三回目は立ち向かおうとした香をまったく危なくないのにりのが身を挺して、体当たりしてる結果がこれ)
その直後、りのに襲い掛かる放火魔を退治したのはプッチャンでしたっていう流れです。
最初の邂逅シーンとクライマックスのシーンでりのと香の立場が入れ替わっています。
加えて言えば、最初のシーンで香は追いかけていた放火魔を取り逃がしてます(つまり失敗してる)。
対してクライマックスではりの(実質的にはプッチャン)が放火魔を退治してる。
こういう対比の関係性がそれとなく提示されているのが、興味深く感じるポイントの一つですね。



そして、そういった関係性の結びとして最後の画像まとめ。
極上生徒会会長、神宮司奏に起こされるりの。
りのが生徒会メンバーに生暖かく迎えられる構図の中、一人ぽつんと気絶してる香。
この場面で奏に見初められ、りのは空席だった生徒会書記に収まるというシークエンスがあり、
香はりのが書記になったことを知らないまま、次回へとなる構図。
この辺りも面白いですね。


香は会長の奏を信奉している設定なのですが、
りのはその奏の加護を一身に受けている。
後のエピソードやOP映像にも出てくる、
香がりのと奏の関係に羨望の眼差しと嫉妬に満ちた表情を見せる構図が、
物語の中に構成された瞬間でもあるわけです。


会長の庇護を受けるものとそうでないもの。
その二者の対照的なキャラの差異。
織り込み方はしっかりしてるのに、作品の肌触りはゆるいコメディ。
こういうエピソードの積み重ねが後々に影響してくるシリーズなんですよ、極上生徒会って。
正直、1話だけでは判断できない部分が魅力で、シリーズとしても尻上がりな構成なのです。
けど実は最初からきちんと盛り込まれているよっていう証拠でもあるかなと。
今回は香に絞って語りましたが、次回は他のキャラにも触れつつ、
また同じようにキャラクターを絞って語りたいと思います。


いかがだったでしょうか。
最初が最初なのでまだ手探りな感じですが、これから頑張っていきたいと思います。
残り25回。
先は長い。


(次回に続く)


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