In Jazz(はてなダイアリー版跡地&元『My Favorite Things』)

ジャンル不問で好きなものを最小単位で語るブログ

極上同窓会#05

アニメ『極上生徒会』、勝手に10周年企画。
10年前の放映日に合わせて、1話ずつ振り返ってます。
今回は第5話。

脚本:白根秀樹/絵コンテ:狩生豊/演出:久保山英一/作画監督:菅原浩喜/総作画監督:川田剛
シリーズで唯一、黒田洋介さんが脚本に関わってないエピソードです。
とてつもなく投げっぱなしジャーマンなギャグ回というか、
ギャグですらない得体の知れない何か、を髣髴とさせるカオス回だとも。
極上生徒会』のエピソードの中では一番知名度の高いエピソードかも知れません。
とはいえ。
面白いのは確かにそうなんですが、このエピソードを語るのは前回以上に至難の業です。
なんといっても、完全にギャグに振り切れててドラマ部分が皆無で語り辛い。
キャラにスポットを当てていくにしてもそんな性質上、ちょっと内容が薄いんですよね。
あとは個人的な問題ですが、
「そこまで注目されるエピソードなのか?」っていうのもあるにはあります。
極上生徒会』という作品のユルさが際立った回なので、注目されるのも分からなくはない。
ただこのエピソードを文章とか着目点で語るのは結構難しいのです。
というわけで、今回は箸休め的な内容でまとめつつ、手短に行きたいと考えてます。

今回の発端。
ここまで(※まだ5話です)の度重なる想定外の出費で予算がカツカツに。
遊撃と隠密、どちらかの月度予算が削られる事になり、奏会長の提案によりカレー対決をすることに。
早くも展開がトバしてますがそれはともかく。
キャラをピックアップするなら、今回は副会長二人だけどそこまで描写がないのでご容赦を。
軽く触れておくと、対立はしあうけど根っこのところでは気が合う二人です。




で、実際の対戦相手はこの二人。
……あ、違った。
こっちこっち。





料理クラブ選りすぐりのカレーコマンダー
画面左からカレン、イライザ、スージーのカレーライス三姉妹。
もとい、斉藤、山本、吉田の三人。
姉妹ですらない。
ちなみに斉藤と山本は中の人が千葉紗子さんと釘宮理恵さん。
前回の青木さんは福圓美里さんが演じてらっしゃいました。


遊撃は香(料理も上手で完璧さに磨きがかかる)、隠密はカレーライス三姉妹を要しての対決。
と、役者が揃った所でAパートが終了。
細かい内容は本編をごらんいただければと思います。
しかし、今回のエピソードのビーンボール度合いを確認するなら、Bパートを見なければなりません。
地味に作画が崩れ気味なのも相俟って、妙味を醸し出しているのは目を見張るべきところでしょう(そうか?)



会場と実況&解説と審査員×2。
ここまで大掛かりにしてる時点で、予算大丈夫なのかとw
りのは今回の対決内容を決めた発端。
まあ、カレーが大好きなので嬉々としてます。



それを脇目に苦々しく眺める香からの謎百合パート。
ここは是非、映像の流れで見ていただきたいなあw
タージマハール〜インドでカレクックはシリーズ屈指の名(迷)フレーズ。
もう百合なのか、ギャグなのか。
あ、百合でギャグなんだな(錯乱)
最下段の画像2枚が『少女革命ウテナ』を製作したJ.C.STAFFらしく、影絵チックな異空間フェードアウトで味わい深い。
ここだけウテナ感半端ないのも面白いな。
そういや、ウテナにもカレーギャグで有名な8話「カレーなるハイトリップ」がありましたね。
一応紹介すると、こんな内容。

…なにも作画がヘタれる所まで似なくていいのに
しかしなんだろうか、J.C.STAFF的にはカレーが絡むとギャグをやらなければいけない不文律があるというのかw
(多分ない)


そしてこの顔である
カレー将軍、鼻田香作よろしくスパイスにヤラれたかのような、蕩け切った表情である。
知らない人はカレー将軍で検索してくださいな。


とまあ、こんな調子で対決の火蓋は切って落とされるわけですが。
ベタな展開で様々な趣向によって、遊撃劣勢の形に。
隠密側のカレーライス三姉妹が順調に料理を仕上げていく傍ら、
苦戦を強いられる遊撃だったが、最後の趣向で…




謎のインド人登場である
チャダ山という名前もふざけているが、プッチャンの顔見知りという事実がネタをさらに暴走させる。
その上、Bパートに限って言えば、キーパーソンはこの二人というぶっ飛ばし具合。
一体、何があったのか。
そもそもプッチャンを身につけている人物が何者なのか。
枚挙に暇のない怒涛の突っ込みどころに視聴者もろとも押し流されていく。

カレー修験者、チャダ山によって、対決は五分五分に。
しかし、そんな事はもはやどうでもよく、プッチャンの意味深な表情ばかりがちらつくw
カレー勝負の行方はどうなったか。
驚きの結末はCMの後、もとい本編をご覧ください。



対決が終わり、微笑みあう副会長二人。
ここら辺のツーカー具合が今回の美味しい部分。
お互いに相手の性格を理解してるからこそ、通じ合う視線。
そして根本で感じている部分が一緒である辺り、素っ気ない甘さが引き立つのが良い。
3話で見せた裏側の表情とは別に、各部のリーダーとして信頼しあう表の表情。
その二人を眺めて、微笑む奏会長もなかなか乙なものです。



そして、カレー対決のエピローグもそここに描かれるもう一つのエピローグ。
なんだか映画的な別れのシーンでほろ苦くありますが、やってるのは人形と謎のインド人ですからね?
しかもなんかアダルティーな雰囲気醸し出してて、もう視聴者完全に置いてけぼりですよw
二人の間に言葉じゃ言い表せない事が色々あったんだなあと思いつつ。
そういう話は傍流の傍流で語られる事はないはずなのになぜここまで力を入れるのか。
ひたすら投げっぱなしに謎のまま、気持ちよく終わってしまいます。

最後はほら、ベタに夕暮れの星まで輝いて、チャダ山との別れをさわやかに演出して、幕。
って、メインの話はなんだったんだ……!
最後の最後までツッコミに事欠かないエピソードでまったく油断がならないのでした。


なんというか底抜け脱線して、やりっぱなしのまま終わるトンでもない回ですね、何度見ても。
しかも何事もないまま、フツーに次回に続くもんだから、このユルさを最後まで引きずっていきます。
隙あらば、ギャグというこの作品の懐の広さを最大限まで押し広げたのは事実でしょうねえ。
そういう点では4話と5話で作品の流れが決定付けられたんだと思います。
極端すぎる感じもしますがw
面白い事には変わりがないので、それでオッケーという気もします。
結局、いつもぐらいの量になってしまいました。
楽しんでいただければ幸いです。
そんな所で以上、5話でした。
次回に続く。
では。