In Jazz(はてなダイアリー版跡地&元『My Favorite Things』)

ジャンル不問で好きなものを最小単位で語るブログ

「少女☆歌劇レヴュースタァライト」アニメ#5 愛はキラめきの中に(How Deep Is Your Love)


第5話『キラめきのありか』
ここからBD-BOX第2巻収録内容。ソフトの収録内容から、TVアニメの構成が三幕構成である可能性が強くなってきていますが、今回のエピソードも「序破急」でいう所の「破」の始まりを示すようなお話だったのかなと思います。メインはまひる回でしたが、全体のエピソードとしても今後の展開に向けてなにかが胎動していくのを感じるエピソードでした。

いつものように舞台版の筋も含むネタバレですので読み進める場合は以下をクリック(スマホなどで読まれている方はそのままお進みください)

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「少女☆歌劇レヴュースタァライト」アニメ#4 キミとワタシの物語


第4話『約束タワー』
ここまでがBD-BOX第1巻収録内容。エピソード的にも第一幕終了というようなお話でした。初のレヴューシーンがない話数でもあったわけですが、今回も気になる箇所は今まで通りたくさんあった感じ、でしょうか。ついに舞台版とのリンクも強まってきたので、アニメが初見の人たちがどう受け取っているかは気になるところ。それはそれとして、当ブログは舞台版と総合して見ていくつもりですのでよろしくお願いします。


今回も舞台版の筋も含むネタバレですので読み進める場合は以下をクリック(スマホなどで読まれている方はそのままお進みください)

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音楽鑑賞履歴(2018年7月) No.1263〜1268

月一恒例の音楽鑑賞履歴です。

5枚。
ブログで鑑賞履歴始めてから、最も少ない枚数です。その理由は直近の過去記事をご覧いただければお分かりいただけるかと(笑)いや、もう仕方ないです、これは。まあ、今年の初めから「夏に入ったら本気出す」を明言してましたのでこうなることは目に見えていたわけですけども。あとはどこまでこれが続けられるか。なんとか終わりまで続けたいと思いますが、あと約二ヶ月。しばらくこの調子なので、聞く量はぐっと減るかもしれません。申し訳ない。
というか日々の記録代わりなのでこれを目当てにいらっしゃる方がどれくらいいるかわかりませんが。
そんなこんなで今回はSleater-Kinneyしか聞いてません。まあ、こういう時期もあるさと言うことで。いや、いろいろアウトプットするときに集中したいので音楽が聴けないのが一番のストレスなんですけどもね。書くのも好きなので、今はそっちを頑張ります。

というわけで以下より感想です。


Dig Me Out

Dig Me Out

97年発表3rd。The Kinksのレコードジャケット意匠を借りたジャケットで有名な彼女たちの代表作。ベースレスでツインギターが鳴り響くトリオ演奏はオルタナらしいギターロックではあるが、珍しく焦燥感は皆無でキッチュな浮遊感と地に足着いたノイジーな重力感とともにフェミニズムを押し出した歌詞が独特。
女性の3ピースバンドという以上に、彼女たちのアディテュードはパティ・スミスと似通っているようにも感じる。そういう点ではNYパンクに接近したサウンドなのも納得は行く。今聞くと、雑味を抜かずに押し出したThe Strokesのローファイ・ギターサウンドという印象を持つのも興味深いところだ。
オルタナグランジを経て、醒めた知性をラディカルに音楽に響かせると、NYパンクや古くはヴェルベッツにも至る音の上に、彼女たちの音楽は成立しているし、90年代末期という時代を反映した音を出している。エキセントリックでパンキッシュだが非常にクレバーな内容の傑作に違わぬ一枚だろう。

Hot Rock

Hot Rock

99年発表4th。ガレージロック色が減退し、NWサウンドらしい退廃的な雰囲気に包まれた一枚。全体的にミッドテンポ気味の演奏なので、疾走感のあった前作と比べても大分印象が異なる。そのルーズな印象と気怠さが漂う中、ユルさとチリつく焦燥が同居しているのが当時の流行らしくもありまた独特でもある
サウンド的にはやはりトーキング・ヘッズテレヴィジョン、ソニック・ユースといったバンドと地続きであり、そのクールな知性とラディカルな姿勢は本作においても一貫している。女性のあけすけな感情をギターノイズに乗せて歌えることが個性でもあり、その赤裸々な歪みにじっと耳を傾けて聞く良盤だ。

All Hands on the Bad One

All Hands on the Bad One

00年発表5th。音と演奏が骨太になった印象がある一枚。The StrokesWhite Stripesの台頭に先駆けて、ガレージロックへの回帰を意識したようなサウンドにもなっていて、ツインギターはざくざく、ドラムは適度な重さを保ちながら、荒地を物ともせずに突き進む4WDのようなワイルドさを感じるのがクール。
前作のNW色やダルな趣から打って変わって、目の覚めたようなスピード感とパワフルな演奏とともに彼女たちらしいロックに対するアディテュードとラディカルな部分が呼応したゆえだろう。傑作と謳われた前々作の印象をアップデートしたような痛快な一枚だ。その磐石さには余裕すら感じられる。

One Beat

One Beat

02年発表6th。前作より音の出力がパワフルになった印象を受ける作品。サウンドがハードになったとか、音圧が高くなったというのではなく、前作のガレージロック感を引き継いで高出力に上げた、感じ。密度がグッド上がって、強度が高くなったと言えばいいだろうか。ともかく枠が太くなった。
一音一音がかなり太くなったイメージで、ギターリフやドラムから叩き出されるビートの強さがとてもエネルギッシュに聞こえる。マッシヴになったというべきか、余計な贅肉がなくなった分、筋肉質なバネの強さが目の前に迫ってくる。キレよりも音の弾力をとことん突き詰めた強靭な一枚。乾いた響きも良い

Woods

Woods

05年発表7th。前作のパワフルな出力そのままに、音のボリュームを思いっきり引き上げた爆音ガレージロックの傑作。もうプレイボタンを押した直後の最初の一音だけで圧倒される、パワフルかつ豪快なサウンドはバンドには今までなかった感触。名付けられたタイトルやジャケットの如く幹の太い大木の音だ
激情、と言えばいいのか。今までのクールな視線に怒りが混ぜられ、とにかくバンド史上、最も攻撃的な演奏が繰り広げられる。理路整然にやけっぱちな、その矛盾した音が理性を保って、フルドライヴで駆け抜けていく爆音の鬼気迫る勢いが有無を言わさず振りかざされていくのが圧巻だ。
ハイライトは終盤二曲、とくに9はバンド史上最長の11分の演奏時間でスタジオライヴのアドリヴセッションをそのままぶち込んだような、テンションの振り切れようが凄まじい。まさに完全燃焼といった向きの一枚で、再始動に10年も要したのも頷けるほど。知性と激情の火花がぶつかり合う名盤だろう。

「少女☆歌劇レヴュースタァライト」アニメ#3 孤高と覚悟の果てに


第3話『トップスタァ』
今度こそ「This is 天堂真矢」な回でした。や、今回はちゃんと注目しますよ? もちろんそれだけじゃなく、ここに来て一気にさまざまなトピックを開放してきたので、情報整理が大変な話数でした。そんな所でメインを踏まえつつ、拾えるものはできるだけ拾って行く感じで書いていこうと思います。

当感想は舞台版も含むネタバレですので読み進める場合は以下をクリック(スマホなどで読まれている方はそのままお進みください)

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「少女☆歌劇レヴュースタァライト」武器名解説


今回は手短な関連記事です。
今年の2/24〜3/11の期間、秋葉原のアキバCOギャラリーでバンドリ!」&「レヴュースタァライト」STOREという企画ショップが開催していました。

「バンドリ!」&「レヴュースタァライト」STORE|ブシロード公式サイト

筆者はスケジュールの都合で赴くことはできなかったのですが、この企画ショップでは関連商品やキャストの一日店長企画、パネル展示などがあったようです。特に「少女☆歌劇レヴュースタァライト」においては、実際に舞台で使用された衣装、小道具、武器の展示などもあったらしく、行っておけばよかったとも少し感じています。

大好きな『レヴュースタァライト』の衣装展に行ってみた。 - きりんログ

↑こちらのリンクは実際行かれた方のレポート記事です。このレポートの中で舞台少女たちの使う武器の写真とその武器名が紹介されています。今回はその武器の名前について、少し見ていきたいと思います。解説というか、メモみたいなところでしょうかね。なお写真等々は該当記事にて確認していただければと思います。

以下が武器名。また各キャラの使用してる武器自体の名称も自分なりに調べてみました。刀剣が多いので種類がこれで正しいのかは定かではないのでご了承ください。さっと調べてみた感じ、間違ってはいないと思いますが。


華恋Possibility of Pubertyブロードソード(一般的にイメージされる洋刀)
ひかりCaliculus Brightスティレット(止めを刺すための剣で「慈悲」の異名)
真矢Odette the Marvericksレイピア(主に決闘用の剣)
クロディーヌEtincelle de Fierteバスタードソード(バスタードに「雑種」「私生児」の意)
ばなな輪(めぐり)&舞(まい)日本刀(大太刀<輪>&小太刀<舞>)二刀流
純那翡翠弓矢(洋弓)
まひるLove Judgmentメイス棍棒。中世ヨーロッパでは聖職者が使った武器。あと重い
双葉Detarminaterハルバード(槍斧。用途が広く、使いこなすには器用さと判断力が必要
香子水仙薙刀(江戸時代には嫁入り道具の一つとして重用された)


とまあ、こんな感じです。調べてみると、武器名以上に武器の種類とその意味や用途にもキャラクターの個性が重ねられているように見えますね。特にクロディーヌの使うバスタードソードや双葉のハルバード、あるいはばななが日本刀の二刀流であるとことなどは、今後の物語展開を考えるとこれらのニュアンスが直接出てくることないでしょうけども、関わってきそうな雰囲気もあります。ばなななんかは、公式ページの紹介にもあるように「舞台少女」としてだけではなく、脚本・演出の才もあるというところでの二刀流なんだなと思うと、色々考えさせられるものがありますね。あと意味深なのはひかりの武器でしょうか。彼女だけ武器そのものの用途があまりに明確なのと、その異名を見てしまうと天を仰ぎたくなります…。
あと各キャラの使用武器の金属部分の質量と比率もおそらくはおのおの才覚の大きさにも比例してるんじゃないのかなと思われます。それを考えてしまうと、純那がとてもいたたまれなくなったり。矢じりにしか金属がなくて、それを補うための技術としての「弓矢」なんだろうなあとかも考えてしまうとやはり。
などなど、これだけでも思うところは色々出てきたりもします。
そして、ここに武器に名付けられた名前の意味を考えるとさらに連想が深まっていくわけなのですが、以下が各武器に名付けられた意味ですね。


華恋思春期の可能性
ひかりつぼみの輝き
真矢孤独のオデット
クロディーヌ誇りの火花
ばなな輪舞(ロンド)→同じ旋律を何度も繰り返す楽曲形式。
純那翡翠→忍耐、調和、飛躍の意を持つ
まひる愛の審判
双葉決定者、あるいは支配者、または規定者
香子水仙=ナルシス→『自己愛』『うぬぼれ』の花言葉


どうですか。もう色々と意味深過ぎてマズいです。
華恋だけが「若さゆえの可能性」を手に掴んでいることもさることながら、もう武器名がド直球過ぎて、作品構造にも関わっているんじゃないかと思わせられるばななの武器とか。思うところ、考えさせられることがたくさんあります。
香子辺りなんかは舞台版を見ていると物凄くドンピシャかつ非常に定番の意味を背負った武器なわけですが、この辺りがアニメ版でどう描かれるのかとても見ものですね。ナルキッソス=ナルシストの気質を持っているキャラクターなので、そこからの成長が描かれるはずでしょうし。純那にいたっては、努力の先に待つ飛躍がありそうというだけでも、報われた感じがします。クロディーヌの武器においてもまさしく「名は体を現す」という言葉そのものでしょう。
この中で一番、意味がわからなかったのは真矢の「Odette the Marvericks」Odetteは分かり易い。チャイコフスキーバレエ音楽白鳥の湖」に出てくる、魔女に悪い魔法で白鳥へと変えられてしまうオデット姫。Marvericksはこのスペルだと該当する単語が出てこなくて、Maverickでようやく「孤独を愛する者」とか「型破りな」とか「異端の」という意味が出てきます。真矢が「孤高のトップ」という意味ではぴったりな感じもしますが、間違っていたらすみません。あと「型破り」とか「異端」の意味も掛かっているのなら、今後物語にも作用してきそうな予感もありますね。
あとひかり。Twitterで一回つぶやいたときに「光り輝くつぼみ」としちゃいましたが、作品が「情熱ときらめきを巡る物語」だという事と舞台版でのひかりには「きらめきがない」という指摘を汲むと、「光り輝くつぼみ」というよりは「つぼみ(程度しかない)輝き」とした方が正しいのではないかと。その意味からすれば、彼女の持つ武器が「短剣」であることも説明がつきそうですよね。


とまあ、以上。軽い解説でした。
多分、ここで説明したことは特に物語の上で語られることはあまりないかと思いますが、一度は公に出ている情報ではありますのでちょっと検証してみた所です。やってみてわかったことは、各キャラに見合った武器があてがわれていると言うことでしょうか。この辺りの予備知識を頭に入れておくと、作品の理解がすこし深まりそうな気がします。自分としてもメモ程度に記録しておきたいと思い、書いた次第です。何かの参考になれば幸いです。

というわけで、番外記事でした。ではまた。

「少女☆歌劇レヴュースタァライト」アニメ#2 渇望、焦燥、羨望、友情、そして情熱


第2話『運命の舞台』
最後の最後で衝撃が走った回、と言えるでしょうか。あ、もちろん「This is 天堂真矢」の方ではなく。あれはあれで面白かったですけども、今回の感想でメインで語りたいのは別のところにあります。

今回の感想ではその辺りを周囲のエピソードにも含めて書ければなと。
一応、ネタバレですので読み進める場合は以下をクリック(スマホだと利かないみたいだけど)。

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「少女☆歌劇レヴュースタァライト」アニメ#1 構成主義とシンメトリー

いやもうね、ちょっとアカンです。とんでもないものが始まってしまいました。
7/12に放映された「少女☆歌劇レヴュースタァライト
第1話『舞台少女』
皆さんご覧になっていますよね。なに、ご覧になってない?今ならYouTubeの公式チャンネルで1話が配信になっています。限定配信なので気になる人はお早めご覧ください。

まあ、見て分かるように少女革命ウテナライクな作品です。監督されているのはその「ウテナ」の幾原邦彦監督を師匠と見定め、「輪るピングドラム」「ユリ熊嵐」と幾原監督の下で片腕を担った、古川知宏さん。幾原監督の直弟子といっても過言ではない方が監督されています。
なものだから、目聡いファンの皆様が食いつくのも至極当然で、1話放映後にTwitterの国内トレンドで1位になったほどにはバズッたのも、ある種必然の流れではありましょうか。

しかしです。
この物語は「二層展開式少女歌劇」。つまりはTVアニメと舞台で物語が連動して展開される作品なのです。もっと言ってしまえば、昨年の9月、または今年の1月に舞台「#1」がアニメに先駆けて、公演されています。アニメより先行して、舞台が物語の幕を開けた状態でTVアニメの1話が放映になっているわけですね

今回はこれからアニメ第1話の感想をつらつら書いていきますが、筆者は昨年9月、今年1月の舞台版、または舞台版BDを繰り返し見た上での感想を書いていますので、舞台版をご覧になっていない方は是非ともご覧ください。その前提がまずないと重大なネタバレを出てくるかも分かりませんので、ご了承くださいませ。

というのもアニメの1話、舞台版の内容をインプットして鑑賞すると、あれやこれや引っ掛かるものがかなり多く「再生産」されていることに気づくわけです。反面、初見の人にはフレンドリーな作りだとも言えますが、これが舞台から追ってる人にはぜんぜん甘くないのです。その温度差が語れたらいいなと思いますがさてどうなることやらです。


以上を読んで理解したうえで、読み進めていただけばと思います。
当然ネタバレですのでそこも踏まえてお読みください。
それでは以下をクリックで展開します。

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